愛犬物語

先日、防府市の柳さんからお便りが届いた「今月の末でハッピーが農園にお世話になって10年ですね」と。

6月、防府北基地近くの藪のなかで7匹出産。そして藪が水没する豪雨があった。藪に近いお宅の軒下に子供をくわえて避難した。そのお宅は室内犬が2匹の愛犬家 三原さん。追い払わず見守った。


近所の愛犬家、柳さんに「どうしょう」と相談を持ちかけた。子犬はすぐに捕まえられるが親犬を捕まえる作戦がたてられた。三原さんの納屋の戸を半分あけて、チクワを並べて納屋の奥に誘い込むことになった。

授乳でガリガリに痩せた親犬は納屋に入った。その瞬間に戸を閉めた。柳さんが咬まれるかもわからないが納屋に入り抱いた。暴れもせず捕まった。


二人で子犬の写真を地域に貼って飼い主を募集したらすぐに里親が決まった。遠くは大島郡からも引き取りに来られた。


母犬を飼ってくれる人を見つけるため、避妊費用を何人かがカンパ。おのペットクリニック で手術。そのときクリニックにたまごを配達していた私が痩せ細り震えている母犬と対面した。先生が「悪いことにフィラリア検査で陽性だった」つまり心臓に寄生虫がいた。発症すれば治療は困難。


農園には3頭の犬がおり引き受けるつもりはなかった。飼い主さがしに奔走したが、フィラリアと年齢不詳の野良犬を引き受ける人はいない。クリニックで11月まで預かってくださり私は毎週「ハッピー」と命名された犬を見ていた。処分が話題になりはじめた。

フィラリア陽性の犬を農園の犬と同居させるリスクも考えたが私が引き受けた。


体重7キログラム。痩せた犬を家内と迎えに行った。お世話をされた地域の人がお別れに集まった。ドッグフード、毛布など箱に詰めて結納。さらに、私に東北の清酒。家内にエプロンの贈呈式までサプライズ。

農園に戻って箱を開けたら封筒があり、宇部市に登録する費用が入れてあった。野良犬卒業の資金。


発症の危険5年を無事に経過した。もともとの3頭は寿命をまっとうして今はハッピーだけ。体重は16キログラム。夜は私のまくら元で寝息をたてている。


山口市内のアルミ缶回収など午前を忙しく動き。午後から部屋の掃除ができた。夕方から長府のキャンドルイベントにいく。


『意味のない統計資料』


 多くの時間と費用を費やして作成された文部科学省の統計資料には、何も訴えるものを感じません。たぶん、当事者が他人事のように取り組み、責任の所在をはっきりさせないからだと思います。

 それに比して、一学校一学級、身体を張って守っておられる現場の先生方が作成された学校通信や学級通信は、はるかに迫力を持って私に訴えてくるものがあります。


(PHP研究所:鍵山秀三郎「一日一話」より引用)