イノシシ解体現場で思った

配達先の農家は害獣駆除で年中忙しくされている。

シカ・イノシシ・サルが農作物を荒らして耕作意欲を無くして農地を放棄する農家が多い。農家や自治体から駆除の要請が相次いでいる。今朝はイノシシ3頭とシカ1頭の解体中。


この猟師さんのお宅には数頭の猟犬がいる。3年前にイノシシと格闘して前足を一本失った強者も、この時期には山に入り仕事をするらしい。


家内の妹は広島県大朝。中国山地のど真中で暮らしている。この地域ではクマが出没する。イノシシを捕獲するオリに入ったときは県に連絡して担当者が来てから銃を使う。体重や胃の内容物などを調べるらしい。その肉を昨年送ってくれたが、脂がたくさんのってイノシシより旨かった。けれども、その現場には街から動物愛護を訴える人も駆けつけて「山に放せ」とアピールする場面もあるらしい。


北九州でイノシシ2頭が身動きとれないニュースが配信されてた。その後、行政が手を尽くし捕獲して山に帰したことが美談あつかいされた。ネコやイヌの愛護とはまったく異なるから、イノシシを山に放した報道には唖然とした。


18年前、農園をはじめたころイノシシはおったが猟師さんも大勢おられた。農園近くの農家の方はくくり罠(イノシシの足をワイヤーで捕まえるけど)で年に30頭以上捕っておられたから農園にあらわれるイノシシは希だった。

その農家の方がご高齢で猟をやめられて5年ぐらいになる。

農園に毎晩のようにイノシシが入り地面を掘り起こしてミミズを食べるようになった。いまは、農園周囲に使い古した漁網を張って浸入をとめているが、それでも隙をついて入り農園の土地はでデコボコになった。

地元の猟友会にお願いに行って箱ワナを設置してもらったら2週間で12頭も捕獲された。

とにかくイノシシなどの数を減らすことをやらないと農業が営めないときが来るのではないかと思っている。


解体されたイノシシは無駄にならないよう、地域のみなさんの胃袋におさまる。少し買わせてもらいたいとお願いした。


『心の幅は無限大』


 いくら大きい人でも、人の三倍も五倍も身長のある人はおりません。また、いくら体重のあるひとでも、人の五倍も十倍もあるひとはおりません。

 その点、人間の持っている「心の幅」は、三倍や十倍の差どころではありません。人によっては、千倍も一万倍も百万倍も差があります。「心の幅」を鍛えるためには、できるだけ自分以外の人のことを気遣うことです。


(PHP研究所:鍵山秀三郎「一日一話」より引用)