毛利式速記術

旧 山口県議会議事堂。2階傍聴席から議長席を撮りました。

40年前、市町村議会会議録調製(発言を文字にする)会社を創業。当時、町村議会はオープンリール(7号)の録音機。国産はSONY製品しかなかった。議場に録音マイクを1本立てて発言も雑音も収録した。県議会や市議会には速記者が1名ぐらい技術専門職員としておられた。

国会の速記席をテレビで見たら4名臨席している。3分から4分で交代しながら速記をとっている。つまり、人の集中力はそのぐらいが限界で1名の速記者が開会から速記をその日の解散までとり続けることは無理。県議会には4名の優秀な速記者がおられたが録音機は回っていた。

ならば速記者が臨席する意味はなにか。それは議会が紛糾してヤジや不規則発言など議場が騒然としたとき、録音機に頼って調製すると「聴取不能」になるが、臨席した速記者の鍛えられた耳は発言許可を得た人の声を符号におとしている。


長くなった。

明治、日本近代化のとき速記術も進歩した。それは会議の記録をとるだけではなく記者がインタビューを現場で符号でとり社に戻り文字にする。

わたしが驚いたことは、勉学に励む学生が講義を符号でとったこと。

40年前、速記術について知識を得るためにアンテナをはったら元小学校校長が山口市内におられ話してくれた。

40年前に80歳ぐらいのお歳だった。大上という方だった。

僕は学生のとき授業を「毛利式速記術」でとったと話された。速記術は早稲田か田鎖ぐらいしか知識がなかった私は、毛利の時代から勉学のためにあみだされた毛利式に驚いた。山口県がいっそう誇らしく思えた。


国指定重要文化財の山口県旧県会議事堂には毛利式速記術のことを紹介したほうがよいと思った。


6時前から萩市に向かい、お昼前に農園にもどった。さっさと昼ごはんを済ませて3時間ほど草刈りをした。

今夜は絶体よく眠れる。


『率先してやる』


 よいと思ったことや、このことは間違っていないと確信したことは、自分が率先して始めるべきです。

 ディファクト・スタンダード(事実上の標準)という言葉があります。自分が率先して正しい規範を作り、それを示し行えば、真っ先に規範を作り示した人が一番強いという意味です。

 後からやっても、それなりの力にしかなりません。


(PHP研究所:鍵山秀三郎「一日一話」より引用)