生きることを考えた2週間

2週間前、第一病院で血液にレントゲンなど検査項目すべての結果を聞かされた。予定では次の血圧検査の9月中ごろでよかったが「検査結果について説明したいことがある」と連絡が携帯電話にあったので聞きに行った。


肺のレントゲン撮影で右側に気になる「小さなくもり」があるとの診たてを告げられた。県内で肺については「山口宇部医療センター(前身は、結核病院の山陽荘)」に紹介状を書くのでいつがよいか。8月18日の金曜日にお願いした。


2週間、そのことを考え続けることになった。最悪のことは「肺ガンです」と告げられても私の仕事ができる者はいない。

放置して、その先がどれだけあるかわからないが、私の仕事ができる人を探す時間にあてる。寿命はあるので、それを聞いたほうが生き方がしゃんとする。

専修大学野球監督だった今村明さん。毎日、畑に通い汗をかいた。大学の野球キャンプに毎年通われていた「ガン」がみつかった。その日、病院の帰りに奥さまと農園に立ち寄られ「ガンだった」奥さまは「抗ガン剤治療をしても、ハゲ頭だから心配ないね」と笑いを誘われた。

その治療は人によって効く、効かないがあるらしい。今村さんは最初の治療で身体に大きなダメージを受けられた。口内が真っ赤に腫れあがる口内炎ができて食べられない。みるみる巨漢は痩せ細った「もう抗ガン剤治療は絶対やらない」とベッドで言われた。その日から1ヶ月ぐらいあとに亡くなられた。


もし最悪のことを告げられたとき、私はどう言おうか、そのことを考える2週間。


その台詞は あと何年ですか。治療はしません。最後の痛みはないように頼みます。


周防灘を一望できるロケーションに医療センターはある。カメラをもつ気持ちになれなかった。


採血は5本たっぷりとられた。最新鋭のCT機材で撮影。12時前に検査結果の丁寧な説明を受けた。画像から推察する病気は「結核」それを血液などから入念に調べたが結核や何かの感染症ではない。結核は周囲に感染するからガンより悪いかもしれない。


1ヶ月後にもういちどCTを撮って経過を診る。それで問題なければ大丈夫とのこと。


「階段を歩いたら息切れするか」「咳はでるか」「タンはでるか」など問診があった。血液中の酸素濃度もバッチリ。9月に再検査になった。


生きることを切実に考えた2週間だった。


「あだち美術館」更新しました。夏を満喫してください。