保護犬の顛末

迷い犬顛末


涙もろくなった。

宇部保健所の「Kさん(女性)」に犬を保護しましたと一報を伝えたとき「ありがとうございます」と意外なお礼の言葉だった。2頭の保護犬と暮らしている高齢者なので3頭は、と言葉を濁したら「ありがとうございます」と。

ひと山向こうで3月5日に保護願いを出したお宅に勤務を終えても連絡をとり続けてくれ遅い時間に「残念ですが」と連絡があった。私が伝えた「耳がおれている」に対して先方は「耳が立っている」でちがうことが判明した。


ハッピーの15年前も悩んだ。フィラリア強陽性反応、つまり心臓に寄生虫がおりいつ発症するかわからない。くわえて、農園には2頭がおり感染リスクがあった。強い薬で駆除した場合、心臓内で死んだ虫が血管につまり犬も死ぬ可能性がたかい。寄生虫の寿命は5年、その間にあらたに感染した蚊の予防でフィラリア予防薬を服用させ5年生存できたら大丈夫。その5年にかけた。いま農園生活15年。


ゆきちゃんを迎えるときは私の寿命と相談して、ゆきちゃんを最後まで世話をする。そのために健康管理をして頑張ってみようと腹をきめた。


悩んだすえ「Kさん」に引き取りをお願いした。10時ごろKさんが農園に到着。迎えてくれた家内は「若い人だった」リードを使わず抱いてケージに入れてくれた。

吠えるゆきちゃんを見て「あの子が下関からですか」「防府からの子は?」と私が話したことを覚えていた。


彦島を走りながらようすを電話で聞いて、あの汚れた犬を抱いてくれたことで涙がでた。

野良犬ハッピーは子供7頭は保護されたあと、餌に導かれて倉庫に入ったところで戸を閉められた。柳さん奥さんが意を決して抱き寄せて保護してくれた。汚れて骨がみえるが乳房だけはあったらしい。

その「抱いた」をおもいだした。


1ヶ月はお世話にしますから。きのう彼女は言った。つまり、きょうから1ヶ月。


小郡の動物愛護センターにいくつもことがあった。近隣市町村で保護された犬と猫が数多くケージに入り飼い主がくるのを待っていた。そのお世話をする作業服に長靴の若い女性職員さんは声をかけながら餌をあたえ排泄を片付けていた。

その日になったら安楽死。カラカラの骨になって慰霊碑に納骨される。


その運命を知りながらお願いした。


夕方、農園に戻り今朝5時に山盛りであたえたドックフードを全部食べた皿を片付けた。


数人の方が日記を読まれてご心配してお便りをくださいました。ありがとうございます。