過疎地の現実です

昨夜8時ごろ、私の部屋から300mほど離れた雑草地に仕掛けた(地元猟友会)鉄の檻(箱ワナ)の扉が音を響かせて落ちた。イノシシが暴れる音がたまに朝まで聞こえてきた。


萩市に向かう5時はまだ暗く、わざわざイノシシを見に行くほどのことではないので見ずに農園を出た。


お昼前に農園に戻り箱ワナに行くとご覧のとおり。


農園をはじめた20数年前、サツマイモをたくさん植え仲間を呼んで収穫していた。カボチャもたくさん採れた。


それは昔話になり、いまイノシシの好物サツマイモを植えたら間違いなく荒らされる。とにかくイノシシの頭数が増えている。理由は猟師さんが減ったこと。


猟銃免許取得が難しい。つまり銃を使わずワナで捕れとなる。ワナは箱ワナ、ワイヤーで脚をくくるワナの二種類。どちらも銃を使わない猟師さんは手製の槍のような道具で倒す。それはとても危険をともなう。


捕った肉は流通してはならないという建前がある。山で内臓を出してジビエ肉処理場に運び込む。一頭4千円ぐらいでは日当にもならない。それでも地域から駆除要請を受けた行政は猟友会に駆除を頼む。


鹿の尾っぽを切り取り冷凍している猟師さんに聞いた。尾っぽひとつを行政は一万円払ってくれる。この冷凍庫に100以上保管している。1年経ったら市に持っていく「大儲けですね」と言うと。


駆除要請が出ると鹿のときは10人ぐらいが仕事を休んで山に行く。犬も連れて行き、弾や弁当は自分持ち。年間に何度も出て一人あたり10万円で大儲けと思うかね。猟犬はマダニ駆除もあるが様々なワクチンを打って山に入る。もちろん猟犬が傷を負ったりしてもどこにも請求はできない。


特に米農家はイノシシとシカの食害に悩まされている。野菜や果樹はサルも加わる。採算があわず離農に追い込まれ耕作放棄地が増える。抜本的な対策はわからないが、捕らえられた動物を見たら猟師さんも誰でもが胸がいたいと思う。


午後、猟師さんが一人で来られ一時間ほどで荷台に載せて帰られた。