シフォンケーキ物語

下関行きの5時すぎ、農園の気温は7℃。天気予報は昼間は23℃ということで服装選びに困る。


今朝の関門海峡。船腹に朝陽を輝かせて大型船が威風堂々。


私の説明力を試すために水曜日の出来事を書いておく。


      「シフォンケーキ物語」


きのう水曜日、長府のシフォンケーキ専門店「ポポラス」オーナーから朝7時ごろLINEが届いた。その内容は「農園近くで炭焼をされている方のオーダーで、木炭パウダーを練り込んだケーキを焼いた。農園に取りに行くと言われるのでお昼のポポラス納品のとき持ち帰ってください。私はその時間留守です」


実は、物語は数日前から始まっていた。

私の携帯電話に「茂上」で着信があったことに気がついた。もう10年近くお会いしていない地域のご年配。着信を見たとき、間違えて私の番号を押したと解釈して折り返しはしなかった。


ポポラス「地域で炭焼」のワードにあてはまる茂上さん「やびつ山荘」という名称で炭焼グループのメンバー。あの着信は茂上さんがシフォンケーキのことで連絡されたのだと気がついた。

すぐに茂上さんに折り返しをしたが呼び出しても出られない。何度もしたが同じだったので炭焼グループの古谷さんに電話をしたら「なんと、久しぶりですね!」と元気な声だった。


僕はシフォンケーキのことは知らないが、茂上さんが連絡したなら奥さんが注文したのだろう。僕の家内に農園に受け取りに行かせるから。何時に行ったらええかね。3時半過ぎと返答した。


そのあとしばらく経って茂上さんから「なんかね?」と電話がかかった。シフォンケーキのことを話したが理解できないので「奥さんはそばにおってか」と聞いたら奥さんが出た、着信に折り返さなかったお詫びとシフォンケーキは3時半には持ち帰ると言うと「私は甘いものは食べないし、長府もシフォンケーキもわからん」と言われた。


その経緯をLINEでポポラスに送った。


ポポラスのオーナーは、炭焼の奥さんが「足立さん知っています。農園も知っています」と言われたらしい。


オーナーに、その炭焼奥さんに3時半過ぎに来るよう伝えてくださいとLINEをした。


お昼前、ポポラスお届け。留守のはずのオーナーが私を待っていた。近所に聞こえるほど大きな声で「ごめんなさい!」を連呼されて驚いた。


オーナーが言われる女性の名前に覚えがないがシフォンケーキはお預りした。


3時に農園に戻ってシフォンケーキを家内に預けた。受け取りに来られる人がある。代金のことはわからないから、それは言わすに渡してくれと伝えて部屋で仕事の後始末をしていた。

4時前、犬が吠えるので降りたら古谷さんの奥さんが来られていた「主人からシフォンケーキを受け取りに農園に行けと言われて来ました」その数分前に、農園地域で夫婦で炭焼や自然農法で野菜を作って生活されている奥さんが来られたらしい。家内が奥さんを覚えており買われた卵を渡したら「シフォンケーキは届いていますか」と言われた。


もし古谷さんの奥さんと前後していたら、シフォンケーキは古谷さん経由で茂上さんの奥さんに届いて逆鱗に触れたかもわからない。


思いこみを真実に思わせた「茂上」の着信履歴から物語は始まった。