白黒写真で迷い子になった日曜日

火曜日の山口市を終えて農園に戻った。

エレベーターは使わない配達。火曜日の最高峰は6階。登頂前にタヌキが出て「きようはエレベーター使え!」と囁いた。私の性格は決めたことを一回崩したら、その決めたことは崩壊する。タヌキに「山に帰れ」と言った。


大正洞パーキングにフォトギャラリー「写創蔵(しゃくら)」がある。フォトギャラリーには縁も関心もなかったが、Facebookで友だちになった(20数年前からご縁があった)撮るためには時間も旅費も惜しまない?松尾さんが作品を出されたことで写創蔵を知った。


何度も作品鑑賞(無料)に行った。作品展は菊川画廊で抽象画がかかり「菊川さん、私には作品の良さがまったくわからん」と言いながら長年通っている。


21日の午後、重枝さん徳重さんと3人で写真展の最終日に行った。


白黒写真が数多くずらりと掛かっていた。入り口の作品から歩みをすすめて最後の作品まで観たが「この展覧会がわからん」に私はなった。

さいわい写真家がおられてので正直に「わかりません」と失礼とは思いながら、わかった顔で帰りたくなかった。


作品は、岸壁に張りつくフナムシ・どこかの郵便ポスト・恐竜のオモチャ・ボールがふたつ・街並みを見下ろす公園の望遠鏡・なにか暗闇に動物の足跡など。


この白黒の世界で伝えたいことは「迷い子」と説明してくれた。つまり作品展をわかろうとした私が「迷い子」になった。思うつぼにはまったことになる。


もう一度「迷い子」になろうと作品を観ていたらギャラリーの主人が白黒写真について、なぜ白黒なのかをまったく素人の私にわかるように導いてくださった。


カラーで表現できるがあえて白黒作品。それが少しわかった。土門拳「筑豊の子」写真集の迫力はモノクロだから極めた作品だったと得心できた。


菊川さんが白黒の水墨画からだからわかることを教えてもらったことも思い出した。


「次の展覧会は悩まず鑑賞してください」と頂戴した案内を載せます。