ヌートリアよお前は悪くはない

深夜の1時。部屋が寒くて目があいた。暖房をつけたらすぐに夢の中。3時に起きたとき「きょうは土曜日」と本気で思いこんでいた。古希がちかくなると驚くような錯覚の世界がひろがってくる。


農園、今朝の外気は5度。宇部市の最高峰「荒滝山」から農園に上空の冷気がおりてくる。焼却ゴミを焼くと煙が冷気に押されて川面に下りていく。犬と歩いていると冷気がスーッと体を包み込む場所がある。

宇部市でありながら毎年冬に氷点下6度や8度まで冷える。最高に冷えたときは氷点下10度を体験した。鶏が50羽ちかく死んだ(寒くてかたまり圧死)


農園の橋からヌートリアを撮った。


外来種でカメやザリガニにタニシなど嫌われもの。ヌートリアやマングースも同じこと。

嫌われても、かれらが自分から海を渡ってきたわけではない。連れて来られて嫌われている。


満州派兵のころから兵士の防寒として毛皮が重宝された。飛行兵も防寒として毛皮が必要だった。

ネズミの親玉ヌートリアを南米から国内に入れて繁殖して毛皮の増産をした。

岡山にその拠点があったのではなかろうかと私が思うのは、岡山県の河川でヌートリアはたくさん見かける。

終戦をむかえてお役ご免のヌートリアは放された。今は主に中国地方の河川で繁殖して夜な夜な畑を荒らしている害獣指定になっている。


目の敵にされているマングースやジャンボタニシに罪はない。ヌートリアにも反論がある。


戦時中に「供出」があった。穀物や野菜などを戦地に届けるために強いられた。「供出」は家庭で使う鍋釜の鉄や神社や寺の釣り鐘や銅像まで兵器になった。


空襲で動物が逃げてはならないので処分命令。上野動物園のゾウ「花子」に餌を絶って餓死。花子はいつもの芸をして餌をもらおうと懸命に芸をやりながら死んだ。


ヌートリアだけでは毛皮が足りず「犬の供出」があった。飼い犬や野良犬を捕獲して毛皮にした。犬の頭を一撃するハンマーを持った人たち町にあらわれる。


ヌートリアの害はある。そこは対処がいると思うが外来種が市民権を得てきた歴史から見えてくるものがある。