台風一過は蒸し暑かった

以前、台風一過は爽やかな風だった。きょうの山口市内はサウナ風呂のような蒸し暑さ。


気象庁が10号特別警戒情報に踏みきらなかった理由は、9号が東シナ海を通過して海水温度が下がったことと報じている。

台風前日の6日。7日の前倒しで配達に行った小野田市のご年配が「直前に通過した9号が海水の温度を下げている」とぽつりと語られた。衛星や巨大コンピューターを使わないでも、人生経験からそれを言い当てた。


一の坂沿いの配達先でブーゲンビリアが暑さを喜んで咲いていた。


藤原てい「流れる星は生きている」をゆっくり読みすすんでいる。


オーストラリア近く、アメリカとの往来を断つ目的で進攻したポートモレスビー。日本軍は熱帯密林で過酷な戦闘を強いられた。生還した兵士は「みんな鬼になりました」と。食べるものがない。最後は人肉まで手をつけました。

大岡昇平「野火」でもそれが題材になっている。


その程度の差はあるが、神戸の避難所に着いた19日。夜は自衛隊が持ち込んだ赤飯缶詰とチクワ。それを1000人以上の人に配ることからはじまった。缶詰めやチクワは足りなかった。

前日まで同じ地域で笑顔で暮らしていた人たち避難初日だったのでわけあえた。それが長期になると給水に来た自衛隊の水が切れたとき怒鳴る。漏電で出火が相次いで起きたとき力尽きてホースを担いで歩く消防士に罵声を浴びせる。


「流れる星」平壌駅までたどりいたときの引き揚げ日本人の過酷さを活字から教えられた。

食べるものがある。寝る場所がある。それを失ったとき人は人ではなくなる。


まだ台風の疲れがある。今夜も早々に就寝。