寝不足はイノシシ騒動

寝る準備をしていたから8時前ごろ。階下から吹き上がりのよいエンジン音が轟いた「牧さん」と窓から下を見たらベンツの牧さん「あがって」と声をかけたら「すぐ出るから」と私を招いた。山形県から東京経由で宮崎に向かっているが、最高に旨かったので半分飲んだが飲んでくれと京都の「白嶺(はくれい)原酒」と仕事で行った先々の土産物。それと中央アジアのどこかの国で買ったという双眼鏡の新品を置いて走り去った。


さぁ寝ようと原酒をあおって横になったらズドーンと銃声が一発!

この時間に撃つのはルール違反(夜明けから日暮れまで)眠りながら撃ったわけを推理した。

私が知るかぎりではイノシシ猟には3通り。山に犬を放してイノシシを追い出してしとめる。箱ワナは頑丈な鉄の檻に餌を蒔いておく。餌を食べに檻に入ったイノシシは足元のヒモを蹴って切る。その瞬間に扉が落ちる。くくり罠は獣道に棒などを置いて、そこを避けて足をおろす場所に穴を掘りワイヤーで足を縛る。そのワイヤーは近くの大木に巻いている。


昼間にくくり罠にかかったイノシシを夕方しとめに行った猟師さん。鉄砲を持っている人は少ない(警察から厳しい保管命令)ワイヤーで片足を縛られたイノシシは暴れまくる。それを絶命させるには槍のような刃物で心臓を突く。

おそらく、夕暮れまでに絶命できないほど暴れる獲物。一晩おいたらワイヤーを切って手負いで逃げるかもわからない。何らかの手続きをしたのかしなかったのかわからないが、朝までこのまま放置できないので、猟銃が使える仲間に来てもらっての一発だったのではないか。


ガチャーン!金属音で飛び起きた。時計は深夜1時。

農園内にはイノシシ捕獲用箱ワナが2ヵ所、地元の猟友会が設置している。

そのひとつは、私が寝ている場所から直接距離で100mぐらい。その扉が落ちた音だった。檻を突き破ろうと体当たりをする激しい音、それに反応して吠えまくる犬で完全に睡眠不足で朝をむかえた。

どれだけ大物かと見に行ったら小学生。それでもカメラを構えた私に突進してきた。


山口市内は酷暑の火曜日。

3時に農園に戻って気温を見たら32度。