早朝は冬支度 午後は夏支度

山あい、そのまた奥で広い田んぼの収穫は農協。畑は食卓を賄うほど。仲良く喧嘩しながら自給自足の毎日を過ごしておられるように感じていた。


数年前の集中豪雨のとき、この山あいで鉄砲水が各所でおきて老夫婦の近くの家には土砂が流れ込んだ。激しい雨音と家の側を流れる山からの濁流。停電の中、じいちゃんの手を握って「死ぬときは一緒」とやってしまったとばあちゃんがのろけを笑いで話した。


一年ほど前、84歳のじいちゃんが心臓手術をした。ばあちゃん免許返納したのでバス停までタクシー。毎日通っていた。


じいちゃん退院してすぐにトラクターにまたがり田んぼに出た「少しゆっくりせんにゃ」と田んぼに行って声をかけたら「いま、やっておかにゃいけんことがある」と。ばあちゃんが言うには、米を売って儲けることではなく、嫁いだ娘たちに新米を送ることが楽しみと教えてくれた。

先週「無理されんように」と農機具の手入れをしているじいちゃんに声をかけた。手をあげて返してくれた。


今朝、配達に行くと私より少し若いぐらいの女性が玄関で受け取ってくれた。

そのあとの配達先でじいちゃんが亡くなられたことを知らされた。


小野市を配達中、小野田工業高校正門に男女5人が横断幕をかける作業をされていた。最初はその文字がわからなかったが読めたので、かけ終わるまで待って撮った。


コロナで迷走し続ける政治家。けれども医療の現場では足りないものを補いながら、自らの危険もありながら懸命に命と向き合っておられる医療関係者がおられる。

そのことに感謝の気持ちを喚起する横断幕に拍手をおくる。

批判の声では解決できない。感謝の声をあげる心が求められている。