良樹細根 のこと

きょうは鍵山秀三郎(Yellow Hat創業)先生のご長男、幸一郎さん還暦の誕生日。そのこともあり最近の新型コロナについて、私の思うことを書いておきたい。


鍵山先生にご縁をいただいたとき、私は市町村会議録調整や出版などを目的とした会社「ぎじろくセンター」を経営していた。

経営に行き詰まっていた。年間の売上高が大きな都城市議会、下松市議会などの翌年会議録契約をライバル会社に競争入札で負けた。仕事も売り上げも大幅におちた。


鍵山先生は誰にも「君」ではなく「さん」でよばれる。私が経営に行き詰まっていることはご存知なく話された。


⏹️足立さん「良樹細根(りょうじゅさいこん)」という意味は、大樹を掘り起こしてみると、たくさんの小さい根っこが大樹を支えていることがわかります。

つまり、経営は大きな売り上げも大切ですが、小さい売り上げをもっと大切にしたほうがよいです⏹️


世の中の常識は、大きな売り上げを追い求める風潮。そのなかで小さな売り上げも大切にという常識外れのご指導に驚いたが良樹細根のたとえに深くうなずけた。


以後、私の経営はこれまでは見向きもしなかった小さな自治体、椎葉村や西米良村それに壱岐島や対馬にも営業範囲を拡げた。そこには、営業効率を求めるライバル会社は来なかった。

その契約自治体は売上高は大きくはないが、他社に契約変更されることはなく随意契約で安定した。会社の基盤は強くなった。


いろいろあって採卵養鶏を志した。

農園をはじめたころ「お宅様のたまごに惚れ込みまして」と大阪の老舗和菓子店から店主夫妻が農園に来られた。有頂天になるような「あと何ヵ月待てば大量に送ってもらえますか」と言われた。

その数をまかなえるだけの若鶏を仕入れた。いよいよ大阪にお届けできる日がきたころ「お届けできますよ。お待たせしました」と電話をしたら「申し訳ないが、お宅より安くてよい卵があった」とお断りされた。

その注文の数を合わせるために、苦渋の決断は鶏の命で調整した。


農園のたまごが安心、安全で新鮮。配達してほしいとクチコミで細根が増えている。週6個や10個のお客さまがたくさんある。配達コースからはずれる場合はやむを得ずお断りしている。

新型コロナ騒動は旅館やホテルに飲食店などご注文は減った。けれども配達先の細根がある。


少ない数でもお届けして喜んでいただく。世の中の経営に逆行しているかもわからないがこの道を歩んで行く。


山口市で美容室を数多く展開されているニュースタイル社長の糸賀さんは、私がお掃除にご縁があった当時にカー用品を山口県や近隣各県に事業展開されていたYellow Hatの垣内さんの仲間だった。

垣内(故人)さん、糸賀さんと私は異業種交流を夜の街で重ねた。3人が求めていた生き方は鍵山流。

もう夜の街を歩くことはない。糸賀さんのオフィスに配達をしてお茶飲み仲間が続いている。


糸賀社長の美容と、もうひとつの顔はデザイン業。先日のブログでも下関市の江口さん名刺デザインをご紹介した。

デザイナーの河上さんに、卵のパックに入れている賞味期限を表示する「無表情の紙」を「伝える紙」に衣替えしたいと先週お話した。

きょう、糸賀社長とお茶飲み話を終えて帰る私の背中に「つくってみました」と河上さん。私のイメージがかたちになり提案してもらった。驚きと喜びだった。


伝えたいことを親身に考えてくれるデザイナーさん。