短編「さよならラジオ」に泣けた

散髪代を支払うとき「来月から300円値上げになり、営業時間は少し短縮です」と告げられた。値上げで安い他店にくら替えするお客があっても上げざるを得ない事情だと頷いた。


ブライダルハラダヤ会長 原田幸次さん(80歳)とのご縁は金光教。原田さんは小郡の教会信徒総代。以前は全国信徒会長もされた。

その小郡教会は5月に開教100年の祭典が仕えられる。原田さんから「ぜひ参拝してください」とお電話を頂戴してご案内状が届いた。


私がお参りしていた教会と疎遠になったのは、信仰に疑問があったわけではなく、大きな問題はなかったが小さな疑問や意見が教会長とあり、それを修復する私に力がなく参拝をやめた。25年ぐらい前になる。


長女の照美さん夫婦が太秦教会の後継にはいり、遠距離参拝になるが太秦教会で私の信心は細々と繋がっている。


私が参っていた教会に背を向けた私が、原田さんの教会はいろいろと敷居が高い。


散髪をおえてハラダヤ本社に行き、会長ご不在だったので社長にお参りがかなわない理由をつたえて当日のお祝いを託した。


菊川画廊。午後1時に訪問を告げていた。

少し時間があったので持世寺温泉400円。新型コロナで近くのお温泉がクローズしているせいかお客は多かった。

湯上がり、隣の豆腐工房で菊川さんにお土産豆腐を買った。


30年近いと思うが、私が手がけた出版で画家、石原忠幸先生とご縁結んでくださったのが画廊の菊川さん。

いまは一滴の酒も口にされないのは、その頃までに人生の酒を飲み過ぎた。それに、わたしもつきあった「いい店がある」と連れていかれた「くっちゃん」魚の干物とコップ酒。魚を焼く煙と煙草の煙。お隣さんと両肩があたるカウンター。トイレの道のりは客の背中に「すみません」と声をかけながら。


安い酒で大きな夢を語り合った。

今はコーヒーで、これからの人生をどう生きようかと語り合える。

写真は愛子さん(お嬢さん)に頼んで撮ってもらった。


訪問目的は、月末の日曜日に長府を訪れる都合をすりあわせることだった。


土日を除いて、午前中の楽しみだった「すっぴん」がファイナルをむかえた金曜日。

いつまでも続かない寿命がある。ラジオ番組にもそれがある。

金曜日は高橋源一郎先生。11時から恒例「源ちゃんのゲンダイ国語」は、作家の源一郎先生が最終の「ゲンダイ国語」に書き下ろした短編小説「さよならラジオ」をご本人が朗読された。

この小説の背骨はラジオの力。その力の背景は、8年アンカーをつとめた藤井彩子さんを暗に意識している作品。途中から源ちゃん朗読の声が詰り彩子さんの嗚咽。


8年、ほんとうに楽しませてもらい、学ばせていただいた「すっぴん」に心からのお礼の拍手をおくった。