ふくで笑顔になる

月曜日は弁天池で10㍑の水汲みをして美祢市にむかう。

配達先での会話は新型コロナ。美祢市役所付近は桜の景勝地。恒例の「桜祭り」は大勢花見客が集まりにぎわうが中止。


配達で玄関を開けたら、ばあちゃんの大声とそれに立ち向かう二人の小学生男子兄弟の大声。突然の休校でばあちゃんのゆっくり時間が壊れた。

ばあちゃん「親は、子供をお願いしますと仕事に行ったが」とため息。


それでも子供をお願いできる家族があるお宅はよい。小学校低学年のお子さんをかかえたお母さん「きょうはパートは休ませてもらいました」と途方にくれておられた。


参議院予算委員会質疑は午前と午後も新型コロナ関連質疑。政府の「休校はお願いしたが、対応は各々で」という答弁は、なにかあったら各々が責任をとりなさいと聞こえる。危機管理能力の不足を私は感じた。


絵手紙の萬代さんの配達を終えて、菅原さんに向かうとき対面する乗用車が狭い道をゆずって止まった。助手席にじいちゃんの顔が見えたので私も止めてサイドブレーキを引いた。


じいちゃんのお宅はこの道の行き止まり。5~6年前まで、毎週6個を郵便ポストに届けていた。ばあちゃんは寝たきりになっていた。

背中がまがったじいちゃんは、厚狭の電気屋さんの娘さんたちの心配をよそにここで生きると決めていた。


愛犬「ころ」が高齢で白内障で認知症なのかグルグルまわっていた。自宅の前の池に落ちた「あんたにお別れをしてもらおうと」ところちゃんに手をあわせる場面もあった。

まがった腰に草刈り機を担いでいるとき、腰には木綿の袋があった「それは何んかね」と聞いたら、草刈り機の刃にあたる小石をいれると言われた。


豪雨で寸断されたJR美祢線が復旧して電車が通るとき、電車に日の丸をふって喜んだ。


美祢市のスーパーマーケットで会ったことが何度か。じいちゃんのカゴには果物があった。


たまごの配達をお断りになって久しい。

「じいちゃん、元気じゃねー」と車に駆け寄った「あんたはいつも元気じゃね」と笑顔で応えられた。が、助手席に座っているのが不可解。


菅原さんから、数日前にばあちゃんの葬儀があった。運転しているのは東京から戻った息子さんと知らされた。

じいちゃん、身のふり方は自分で決められると思う。


「ふく」を食べて幸福になった2月末の笑顔が証拠。


「先月の写真」を更新しました。