下北半島の人情居酒屋がよかった

昨夜のテレビ番組 ドキュメント72時間は青森・下北半島「ワケあり横丁」雪が路面を走る街の神社前、肩を寄せあうように並んだ居酒屋にスナックにカメラがはいった。

路上の取材クルーに「寒かろう」と温かい缶コーヒーを通りすがりの男が買ってくれたり、店内では客室が「うまいから」と食べさせたり飲ませたり。

ある店で40歳をむかえた同級生の女性たちが歳の祝宴。都会は行くところで、住むところではないねー。と都会生活から戻った言葉。

お客が好みの店をさがして立ち寄ったら「それなら、あのお店がいいですよ」と店主が他店を紹介する。

高齢者野球チームの宴席に水頭症と知的障害をもった成人女性が笑顔で同席して場を楽しんでいた。チーム男性のお嬢さん。お母さんは病気で他界された。


吹雪の下北半島のかすみにこんなに人情あたたかいところがあるのかと思った。


中尾友昭さんが唐戸魚市場常務のとき一緒に内蒙古の珍道中の一週間旅行をした。ペキンからハイラル(旧満州)までは空路。そこからロシア国境のマンシュウリ(満州里)までのホロンバエル草原は車。途中ふた晩は蒙古族の観光パオ(たぶん?)

小さい発電機でまかなえるほどの文化生活。食事の前にヤギが肉になり血液までもが胃袋に。

日本との時差は約一時間だったと思う。大地にしずむ夕陽は午後9時すぎだった。その暗くなるまでの時間、蒙古の家族は焚き火をかこんで馬頭琴にあわせて歌い踊って、その仲間入りした。高校生ぐらいのお嬢さんが相撲をしようと誘った。40代で体力に自信はあったが投げられて転がった。

強い酒で倒れた草むらから見上げた空いっぱいの星の迫力に驚いた。


天の神と地の神を敬う日常の儀式がいろいろあり、アイヌの人たちもこうなのかと想像した。

亡くなると遺体は鳥たちが食べやすいようにしてあたえる。猛禽類の鳥が群れて食べ尽くして舞い上がるとき死者の魂も一緒に天にいく。

そのような自然と一体になった異国の文化と人情を少し体験した。


藤野先生からメール添付。数学者の森田真生先生の新聞か雑誌コラムを頂戴した。

何度か拝読させていただき「人間でないものたちから学ぶことができるはず」のまとめが下北半島と内蒙古の旅で脳内ショートしている。

森田先生、私が勝手に拡げた解釈、先生の「人間」は、自分がよけれは、自国がよければにという世相に思えた。


根拠のない思い込みが多くなっている。

土曜日、8時半に届けている大谷山荘。荷受けの用度担当者は多忙で検収ができない。所定の冷蔵庫におさめて伝票を持って担当者があらわれるのを待つ。

今朝も、私の待つ様子をみた魚屋の兄ちゃんが「押そう」と事務所から検収の判子を持ち出してパンパンと押してくれて伝票を受け取ってくれた。


この場面が多いので今朝は「勝手に検収して大丈夫ですか、迷惑ではありませんか」と言った。

長靴でジャンパー姿。愛用の軽トラには鮮魚を運ぶイケスもある。いつも大きな魚を抱えて厨房を行き来している。

彼は総務部用度のチーフで、鮮魚をあつかうことが仕事だった。

ジャンパーを少しあけて「大谷山荘」の上着を見せてくれた。

長靴と軽トラにジャンパーで魚屋の兄ちゃん勝手に妄想していた。

慌てて名刺を交わした。


きょうの一枚は萩焼作家。渋谷英一さん。

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コメント: 4
  • #1

    酒井 (日曜日, 19 1月 2020 10:55)

    毎日拝見しております、カレンダーの掲載ありがとうございました25日からは東京の【かきでん】というところで個展をするそうです。よろしければ検索できると思いますのでご覧くたさいね、ありがとうございました☺️

  • #2

    あだち です (日曜日, 19 1月 2020 12:42)

    酒井さん、お便りありがとうございました。
    きょうは、ししら寒いですね。
    萩焼はお茶道具から観賞の作品になり、作家のみなさんも腕をいっそう競いあわれますね。

  • #3

    藤野貴之 (日曜日, 19 1月 2020 22:23)

    朋友森田真生氏のコラムをお読みいただき感謝申し上げます。彼といかに”声なき声を聴く世”を生きるかを研究させていただきます。

  • #4

    あだち です (月曜日, 20 1月 2020)

    おはようございます。
    目に見えない。耳にとどかない。
    その世界を考えるチャンスをありがとうございました。