なにごともなく台風一過

歴史学者の磯田道史さん、わかりやすく日本史を語る先生として尊敬している。

テレビ歴史番組で渋沢栄一がテーマだった。私は渋沢さんの輪郭すら知らないので磯田先生の解説60分に学んだ。


岩崎弥太郎が「私とくんで日本経済界の頂点を目指そう」の誘いに「それは資本主義とはちがう」と席を立った。

実業家として人生を歩んだ渋沢が、実業界を引退したあとも、亡くなる91歳まで取り組んだことは慈善事業(社会福祉)富国強兵の時代に、今でいうホームレスのような人の社会復帰事業に取り組んだ。

その道半ばで税金で貧民を養うより、軍隊に税金を使えと予算を切り捨てられた。ならばと自費と多くの実業家の仲間に寄付を募り東京養育院を継続し、そこでしか生きていけない人々を救済した。


例えば、私のような母子家庭。母親が働く時間に子供をあずかる。手に職をつける指導をして社会復帰を後押しする。(母が幼い私をあずけて働くことができた。宇部では「更正館」があった)

前の仕事で出版の仕事の行き掛かりで、府中の養育院という20数年前、入所されている方の人数では国内最大の福祉施設に足を運んだことがある。養育院という施設名から渋沢と関係があるのかと思った。


磯田先生のまとめがとてもよかった。

金魚が腹いっぱい餌を食べる。それができるためには、糞を始末する。水中の酸素を保つ働き。生きていける水質などが要る。 

人間の儲けたいという欲望を否定はできない。けれども儲けることができる環境が整うという条件がそこにはある。

経済界の成長をささえるものは、道徳・仁義という人の道。その両輪が豊かな国をつくる。資本主義の根っこを育てること。

渋沢の輪郭がわかった。


農園は一度台風で甚大な被害を被った。鶏舎の屋根が全部舞い上がり、大きなヒマラヤ杉が音を立てて倒れた。

地形としては、南と北それと西は山が防風している。けれども東は山がなく、その山あいを猛烈な風が吹き抜けたときのエネルギーは凄いことを体験している。


発電機、それに使う延長コード。鶏舎の雨戸を閉める。浴槽いっぱいに水をためておく。乾電池や雨具などを揃えた昨夜。いつもどおり9時前には寝た。

起きたら3時前。台風は山陰沖だった。


防府市や周南市など台風被害で停電と知った。農園は停電しなかったのに、農園より台風から遠い地域で風がふいたのかを配達さきのお客さまに質問。海上自衛官のときは気象がご専門だった。


台風の被害は、中心から近いとか遠いではなく地形が影響する。それと、台風の外側(へり)の風は強いとされている。


台風が過ぎ去った早朝の光景が撮れた。

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コメント: 2
  • #1

    藤野貴之 (火曜日, 24 9月 2019 19:04)

    渋沢栄一『論語と算盤』は名著だと思っています。道徳とそろばん、今でいうコンピュータ、AIになるかもしれません。両輪として何を目指すか?私が数学をしている根底に問いを投げかけてもらえます。

  • #2

    あだち です (水曜日, 25 9月 2019 13:58)

    藤野先生こんにちは
    渋沢栄一という偉人を知りませんでした。金儲けはやればよい。同じように福祉もやればよい。
    一冊、本を買い求めてみたいと思います。