ヌーちゃんに罪があるのか

戦争中、満州出征の兵隊さん、戦闘機搭乗員の防寒に大量の毛皮が必要になった。野犬はおろか飼い犬までも供出の名のもとに毛皮になった。犬は金づちで頭を叩いて持ち帰る。飼い主は犬を飼っていることを隠すが他人が来たので吠える。悲しい別れが全国であった。


犬だけでは足りないのでネズミ科のヌートリアを南米から調達した。ネズミだから繁殖力は旺盛で成長すれば10キログラム(中型犬)ぐらいになる。雑食だから残飯で飼育ができると好都合。私の知識ではおもに岡山県下で盛んに繁殖された。


外来種が日本の生態系を崩している例はたくさんある。毒蛇のハブを退治すると思ったマングース。ショーでは戦うが自然界では戦わない。


宮崎県で町興しとしてジャンボタニシの養殖がはじまったが興せなかった。いまは九州各地で稲を食い荒らしている。水郷柳川の石垣に強烈なピンク色のタマゴがたくさんある。


佐賀県の旅館で「なんとか鯛でございます」と出されたのはアフリカ原産テラピア。淡白なお造りは鯛と思えば鯛。全国の池で小魚を食べて繁殖している。

ブラックバスはルアーを楽しむために全国の河川や池に放流されて淡水魚の頂点に君臨している。


ミドリ亀。餌を与えるとどんどん成長する。もともとがアマゾンの亀だから。飼えなくなり池や川に捨てる。私が子供のころはゼニ亀がおったが、今はミドリ亀かクサ亀しか見当たらない。


ヌートリアは戦後用済となり無責任に放たれた。岡山県金光町の里見川には子犬のようなヌートリアが群れている。


前置きが長くなった。

写真は24日の月曜日。美祢市の配達で猟師さんが美祢市から委嘱されて駆除のため捕獲したヌーちゃん。推定4キログラムでも歯を剥いて威嚇する。

野菜農家の畑に出没してかじる。それは商品にはならない。ネズミ捕りの大型に野菜を入れて捕獲。この写真を撮ったあと水槽に沈められた。


レジ袋など人間の都合で自然界の営みがくずれている。


先日、農園で捕らえられたイノシン。お腹に4頭の子供がいた。シシ肉を商売に考えた人が豚と交配させて、本来のイノシンが出産する数は1頭か2頭のバランスがくずれた。鶏の知識で烏骨鶏は年間50個ぐらいしかうまないから珍重された。それを改良して毎日うみおとす烏骨鶏がつくられていると聞いた。


ヌーちゃん絶命を目の当たりにしたとき、ヌーちゃんは悪くないと思った。