みやた農園余韻

みやた農園。藤野先生カメラ。


私は48歳のとき農園の土地を買い求めた。50年前に川の氾濫で6軒のお茶栽培農家全部が離農した荒れ放題の場所、約3000坪をひとりで地形がわかるようにした。さいわい巨木はなかったので草刈機と鉈に鎌とチェーンソーでなんとかなった。約1ヶ月ほどで地形があらわれた。当時の体力は私の人生で最高のアクセル全開だった。


実は、この土地を買う前に「買ってくれんか」と持ちかけられた山があった。ただし条件があった「ワシの親はまだ病院におる。息子が山を売ったことが耳にはいると困る。ワシとあんたの二人でやりとりせんか」高くはないので買う約束をした。人手を集めてその山を切り開き農園をつくる準備にとりかかった。

すると地域から養鶏は、臭い、汚い、やかましいとクレームがついた。それは、この地で養鶏をはじめる準備をしますと地域に挨拶をしなかったことがネックだった。

地主と私との約束で山を開墾したツケがこれだった。結局、売買は成立せず開墾した人手に支払った多額のお金は無駄になった。


とにかく自分が汗をかいて土地を手にいれようと腹を決めた。そしてこの地にいきついた。さいわい離農した6軒の皆さんはご存命だったのでご自宅をさがして買わせてくださいと頭をさげた。値段は私が決めた。荒れ地のすべてを買い求めてから自力で開墾した。


宮田夫妻。大島で巨木が根をはる放棄地を開墾した。主人がチェーンソーで倒すとき、奥さんは身体にロープを巻いて倒す方向を手伝った。倒した樹は五右衛門風呂の薪になり、その灰は畑の肥料になったとあっけらんかに奥さんが話された。

私の開墾はその足元にも及ばない。けれども夫妻でどれだけの汗をかいたかは想像できた。


奥さん「正樹さん」と言うし、呼ぶ。その正樹さんを見つめる目が信頼と尊敬に私には見えた。農業の原点を実践するご夫妻。新田次郎、野中夫妻「芙蓉の人」が重なった。


午後から睡魔が猛烈にやってきた。小野田バイパスの7ELEVENまでは車をとめずに走った。とめた瞬間に眠りに落ちた。夢をみた時間は3分。頭がスッキリ、ハッキリした。店内でホットコーヒーを買った。


『開放的な社会』


 閉鎖的な組織は、雰囲気も暗くなり、世間の常識から外れた自分たちだけのルールで動く傾向があります。反対に、開放的な組織は、他者を受け入れ、皆が明るく立ち振る舞っています。社会の閉塞感を打ち破るには、人も組織も明るく開放的にすることが先決です。


 そのためには、自分だけよければいいという考えを捨てることです。他者を受け入れる広い心を持つことです。


(PHP研究所:鍵山秀三郎「一日一話」より引用)

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    スキンダ (月曜日, 03 6月 2019 17:14)

    足立さん、こんにちは!
    炭素循環農法ですね。私たちの会社「農吉」でも炭素循環農法で野菜を作っています。
    私は直接はタッチしていませんが、専務が頑張ってやっています。
    無耕起、無肥料、無農薬、無潅水ですが、まだまだ収量がいかないみたいです。

  • #2

    あだちです (月曜日, 03 6月 2019 18:45)

    スキンダさんお久しぶりです。
    皇室から芸能界、政界から裏社会と引き出しが多彩ですね。
    小雨で井戸が干上がってきました。懐も干上がっていますが。

  • #3

    スキンダ (火曜日, 04 6月 2019 11:51)

    足立さん、旱魃(かんばつ)という漢字を知りました。
    魃は、ひでりの神のことだそうです。勉強になります。
    殆ど雨らしい雨が降っていないので、溜池が干上がってきています。
    私たちの地域は主食米ではなくWCSという飼料米を植えていますので、
    それほど水の心配はいらないので助かっています。
    川の水位と井戸の水位は連動しているのですから、雨が降ることを祈るのみですね。

  • #4

    あだち です (火曜日, 04 6月 2019 18:09)

    スキンダさん こんにちは
    地域の背後に山があると水に恵まれますね。日照りにも神様があることを知りました。まさに八百万の世界ですね。
    今年はホタルの数が多いように思います。ビワの実もたわわです。