「よしの」に福がきた!

20歳のころ、知り合いが季刊の雑誌を創刊したいので手伝ってほしいと頼まれた。断りきれずに引き受けたのは取材。宿題の読書感想文をなんとか書いたぐらいの私が向かわされたのは、「鬼夜」とよばれる久留米市大善寺の火祭り。カメラマンと二人でおもむいた。とにかく寒くて熱燗の酒で暖まりながら火の粉が舞う祭りを見た。


その写真の紹介文を書かなければならない。しかも締め切り日があった。ワンカップ酒をずいぶん飲んで、火の粉の雨に気持ちが高揚したぐらいで取材になっていない。ボランティアで引き受けたにしても交通費と弁当代は貰っているからやらねばならない。

逃げ出したいような毎日を過ごして、私なりに写真の説明文を書き上げた「熱いと思った」という書き出しだけは覚えている。初めて書いたものを知り合いが「ええ文を書けるじゃないかね」とほめてくれた。その写真に添えられた「熱いと思った」が活字になったとき嬉しかった。

あの時、ほめてもらえたから40年経った今でも書くことが嫌いでなくなった。

7日の新聞に、鬼夜が載っており懐かしかった。


氷点下ではないけれど、朝6時に下関に向けてスタートしたときは雪が勢いよくふっていた。まだヘッドライトを使うから雪が反射して視界がとても悪い。しかも重たい雪なので道路沿いの竹や木々がしなって道路を狭くしていた。


国道2号線に出るまで立ち往生の車が2台。ノーマルタイヤだったのかもわからない。


帰り道で立ち寄り湯。車に置いた携帯電話に「よしの」からショートメールが着信していた「松村さんが油絵を届けてくださいました。嬉しくて興奮しています」


新年早々に「福」が舞い込みましたね  と返信した。

「よしの」でうどんを食べてふく(福)をご覧ください。