会話を重ねて面白い

柳川の川下り風景。


家内の車にはナビは付けていない。今回の旅ではタブレットで容易にルート検索できるが使わなかった。不便こそ旅の醍醐味と常々思っている。ひとつの目的地に着くまで数人の方に行き方を教えてもらう。


思案橋も路面電車、片道120円を利用すると乗り場など聞くことになる。思案橋での楽しみかたを地元の方に聞いたら「表に料金表示のある店。奥のほうは観光の人はどうかな?」繁華街の入り口近くのお店の入り口に、メニューが置かれて見やすいよう照明もあった。味も接客も会計も満足できた。


有田焼も買う前に会話で気心にベルトがかかり楽しく買い物をした。正志の土産に酒を買うときも「地元の人が愛飲する銘柄」を店主に聞いて決めた。


旅の準備では便利な機能を使っても、旅に出たら「人」検索が旅を何倍も楽しくさせてくれる。


美祢市の山あい。玄関前でエンジンをとめておりたら、ばあちゃんのかん高い声が納屋から聞こえた。農機具で事故があったのかと一瞬思い納屋に走った。

じいちゃんが、ばあちゃんの指示を無視して仕事の段取りをしている現場だった「よいよ!この男はデンキもん!」と大声で叫んでいた。

「強情」を山口県では「デンキ」という。不思議と耳障りは悪くない。この夫婦は喧嘩にならない、じいちゃんの耳が悪くて叫びは聞こえない。

数年前、この地域に甚大な被害をもたらした豪雨のとき、ばあちゃんは「死ぬときは一緒」とじいちゃんの手を握った話もある。


今年のカブトムシ夫婦は早く死んでしまい、幼虫は期待していなかった。来年も飼うために飼育ケースの土を捨てたら小さな幼虫3匹が出てきた。その感激を話される奥さまのイントネーションが福岡。もしかして福岡のお生まれですか?と言うと「50年、宇部で生活しているのに、わかりますか」小倉の人だった。


母は70年、宇部で生きた。とてつもなく驚いた場面に郷里の出雲弁「おじぇーわー!」を発していた。

「ぶち」「ちょる」「へて」など、わたしも方言愛好家。