落雷と豪雨のなか物語

今朝7時。下関市内に向かっていると、関門海峡をクルーズ船が堂々と針路をとっていた。


高温注意報の午後。下関市内日(うつい)で炎天下に電柱にのぼり作業されている方は、車体に書かれた家電の店名からお客さまとわかった。上下の作業服とヘルメットに軍手をまとうのは85歳の店主。

過疎地で細々と家電の店を夫婦で営まれている。コンビニなどない地域は高齢者だけ。いつ売れるともわからない電機製品を陳列されている。きょうは、地域のイベントがあるので電気をとるため配電盤などを取りつけておられると話された。

お店に配達に行くと、おじいさんが乾電池を買いに来ておられ、ばあちゃんが丁寧な応対をされていた。このお店は地域を支えていると思う。


農園近くには百貨店がある。冷凍食品・酒にたばこ・学用品・調味料に仏具に神具・釣具に金物・コピー機も鎮座。野菜に週刊誌などなんでもある。まさに地域のインフラ機能を果たしている。


街まで買い物に行けない事情の高齢者を支えているのは、行政ではなく心意気で店を続ける人。電柱のじいちゃんは、近々にホーム画面に載せます。


美祢市で配達を終えて、藤ケ瀬峠を越えるころから落雷と豪雨になった。

約15年働いている「みゆきちゃん」は聴覚障害。4時に農園を出てバスで帰る。バスの運転手や地域の方は彼女の理解者でお世話になっている。

木曜日は、バスを待つ彼女にコンビニで飲み物や食べ物を買ってバス停で手渡すことにしている。

大粒の雨のなか、バス停に彼女はいなかった。歩く道はひとつしかないので、その道を走り彼女を見つけた。農園を出るときには雨は降っておらず、傘がないので空き家の軒下で空をあおいでいた。

パンとお茶と傘を小走りで持って行った。彼女の笑顔は最高だった。