解説があると深まる理解

きのう美祢市、ある地域の風景。黄色の花のおく洋風な建物(瓦がない)が絵手紙の ばんだいさんのお宅。金曜日から数日、絵手紙などをホーム画面でご紹介します。


大岡昇平の作品「野火」が100分de名著に取りあげられた。第1回を録画した。

著者も体験し激戦の末に捕虜となり帰還できたフィリピンの島が舞台でフィクション作品。何度か読み返したが、飢餓のなかで戦友の死体を食べる場面は壮絶。映画は観に行くのはやめた。


数楽の会は、数学者の岡潔先生の著書「春宵十話」を藤野先生が敷居を下げて解説してくださる。私が一人で読んでも難解な活字の列挙で歯が立たない。

「名著」も25分きざみ✖4回の100分をつかい解説される。


「野火」は戦争文学として1951年に世に出た。またたく間にたくさんの言語に翻訳され世界で読まれるようになった。そのことが最初に理解できた。主人公が戦地で肺病が悪化して上官から野戦病院行きを命ぜられ、密林を徒歩でいくにちもかけて着いたら、肺病ぐらいで来るなと追い返された。

部隊に戻ると、さんざん殴られて再度の病院行きを命ぜられ芋を6個与えられた。断られたら、その場で手榴弾自決せよ。私は、なんと残忍な命令と理解していたが、解説は「たしかに死ぬと思うが、部隊にいても死ぬ。死ぬまでの自由があたえられた」と主人公の胸のうちを語った。

やはり導いてもらえると内容の核心に近寄れる。


もうひとつEテレ番組は、満州開拓団を生きた女性の証言。敗戦直後、支那人が大挙して略奪に来る。周辺の開拓団は自決。その開拓団は団長の考えでロシア軍に守ってもらうことを決めた。その代償に「接待所」がつくられ、15歳から20歳までの女性約20人が接待を命ぜられた。その女性たちが当時を語りはじめた。


いま、国民の生命と財産を守る。と言われると武力も必用かと思いながらも、戦争は絶対あってはならないことを歴史から学ばねばならないと思った。