朝の緊張感

配達先の玄関で赤い実が輝いていた。


早朝の仕事と食事を終えて、まだ暗いなかを愛犬と長距離散歩をして部屋に戻った。温かいコーヒーを飲みながらテレビを点けたのは6時すぎ、番組に緊急地震速報が割り込んだ直後だったように思う。しばらく経ち津波警報と注意報が発表され、NHKアナウンサーが声をあげて避難の連呼をはじめた。


民放に替えると、画面には女川港から係留を解いたあらゆる船舶が外洋に全速力で出ている場面だった。短時間にこの動きができるのは、あの震災から学んだ人たちが迅速に動いたからだと思った。


海沿いで生活再建の人たち。子供や高齢者に身体が不自由な人の耳に届く警報音や避難の呼びかけに、あの時を思い出されてどれだけ怖い気持ちだろうかと胸が痛んだ。

大きな被害がなく1日が終わり、仮設住宅のみなさんも、とりあえず安堵されている時間ではなかろうか。


平穏な一夜を祈る。