長府 慈光寺

蝉がころんとあおむけになって  みじかい命を生きた空をみつめて死んでいる


春を知らず  秋を知らず  いま、自分の生きたのが夏だと知らず


どこへ帰っていったのだおまえは  誰がまっていてくれるのだおまえを


命がおわることを  命が帰るところをおまえは誰からも聞かされなかったのか


ころんと  あおむけになって  そんなにさびしそうに